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2026年5月|小学4年生授業レポート③_0525_Mon

  • 5月26日
  • 読了時間: 9分

2026年5月25日


5月も終盤、教室では「汗をたくさんかいたのでお風呂に入りたい」という練習問題の一文から、思いがけず気化熱の話まで広がりました。


📘 論理国語

テーマ:助動詞の復習から、助詞(てにをは)と接続詞「でも」、そして「意見+理由」で読む段落要約まで


前回の助動詞の復習からスタートしました。

「動作や様子を表す言葉にくっついて意味を付け加える」というおさらいをしながら、「集めるそうだ(伝聞)」「使った(過去)」「帰りたい(願望)」「覚えられる(可能)」「笑わせる(使役)」を一つひとつ確認していきました。


「『覚えられる』が正しい日本語なんだけど、普段は『覚えれる』って言いがちだよね」と話したあと、「食べられる」を取り上げました。

「カレーライスを食べられる」と「カレーライスに食べられる」では意味がまったく違う。

「文脈で見ないと、食べられるが自分のことなのか、自分がされることなのか分からないよ」と確認しました。


後半は助詞の単元へ。

「こういうのを『てにをは』とも言うんだよ」「『"てにをは"がおかしい』なんて言い方をするんだよね」と紹介しながら、「の・を・が・しか・ので・など」を例文の穴埋めで確かめていきました。

「怒んない」は話し言葉で、書き言葉なら「怒らない」だよね、というような細かいところも一つずつ拾いました。


実はこの「助詞の穴埋め」、最近「シン読解力」の文脈でも注目されている訓練です。

読解力を上げるために、文中の助詞を一つずつ穴埋めしていく練習が紹介されており、今回まさに同じ形式の問題に取り組みました。

正直、もう少し苦戦するかと思っていたのですが、みんな結構できていました。

こういう小さな積み重ねが、結果的に読解力の土台になっていくのだと改めて感じました。


接続助詞「ので」の例文を扱った場面では、ある子が「お兄ちゃんがうざいので下に行く」と自分で例を作ってくれて、教室は大笑い。

「『ので』は何と何をつないでるの?」と問い直すと、「文と文!」と答えてくれて、接続語の働きが少しずつ腑に落ちていく感じがありました。

次回は、助動詞と助詞をまとめる回に入っていきます。


🏺 文章読解&探究

題:永江朗『本について授業をはじめます』(少年写真新聞社)

語彙:ひたる、主人公/登場人物、俳句/短歌、稀(まれ)、絵巻物、源氏物語絵巻、鳥獣戯画

要約

一人で本を読むのは楽しいもので、本の世界にたっぷりと浸ることができます。乗り物の図鑑や歴史マンガを読んで知識を広げたり、小説の主人公になった気持ちでワクワクしたり、詩や俳句・短歌で想像をふくらませたりできます。一方で、友達と同じ本を読んで感想を話し合うのも面白く、自分とは違う読み方に気づかされます。一人読みと複数読み、それぞれによさがあるという説明文です。


音読しながら、まず「浸る」の意味を確認しました。

「お風呂に入るみたいな感じ。液体の中に入る。ポチャン、っていう感じね」と話すと、子どもたちは「あ〜」と納得の声。

本文中の「主人公になった気持ちで」のところでは、主人公を登場人物と説明してくれた子がいました。

「コナンの主人公って誰?」と聞くと「コナン!」「登場人物は蘭、毛利小五郎、光彦、いっぱいいるね」「主人公は主役。ドラゴンボールなら悟空、ワンピースならルフィ」と、知っているマンガで「主人公」と「登場人物」の違いを確かめました。


次に絵巻物について言及してある段落に進み、四大絵巻物として『源氏物語絵巻』『鳥獣戯画』『信貴山縁起』『伴大納言絵詞』の画像を見せると、「鳥獣戯画、本にも載ってる!」と反応する子も。

「鳥獣戯画は日本最古の漫画と言われているんだよ」と紹介すると、絵の中の動物たちの様子から「浦島太郎みたい」「これいじめてる?」と、自由な解釈が次々と飛び出しました。

源氏物語絵巻の人物の顔の描き方からは「おかめ納豆のおかめみたいだね」と思わぬ連想も。


●探究:四大絵巻物と国宝、そして地元・五島美術館

みんなで画像を覗き込みながら「あれは?」「これは?」と話し合う様子は、まさに文章読解で読んだ「みんなで読む」という状態そのものでした。


これら四大絵巻物はすべて国宝に指定されており、国宝になると非常に厳しい保管・展示の制約がかかります。特に絵画は、紫外線や湿度による劣化を防ぐため、年間60日までしか展示してはいけない、という制限があるものもあります。

だからこそ、実物を目にできる機会はとても貴重です。


四大絵巻物それぞれが、どこに保管され、どこで展示されているかを調べてみんなに紹介しました。

今回扱った『源氏物語絵巻』は、なんと世田谷区の五島美術館に保管されており、今年の5月、ゴールデンウィークの時期に展示されていた様です。

「教科書で見ているものが、自分の住んでいる街の美術館にある」──このつながりを子どもたちに感じてほしくて、GoogleMapを開いて自転車で30分で行ける場所にあることを学びました。

次の公開のときには、ぜひ実物を見に行きたいと思います。


五島美術館


●探究:汗で体が冷えるのはなぜか(気化熱)

論理国語の練習問題に「汗をたくさんかいたのでお風呂に入りたい」という一文が出てきました。

「そもそも、なんで汗かくの?」と聞いてみました。

「暑いから」「体を冷やすため」という答えはすぐに出てきましたが、「じゃあ、なんで汗をかくと体が冷えるの?」と一歩踏み込むと、みんな黙ってしまいました。

少し解説しました。


「汗は水分でできているよね。出てきたときは『水』なんだけど、蒸発するときに『水蒸気』に変わる。水と水蒸気って、エネルギー状態がぜんぜん違うんだよ。水蒸気のほうが高いエネルギー状態。だから水が水蒸気に変わるためには、どこかからエネルギーをもらってこなくちゃいけない。そのエネルギーを、まわりから──つまり体の熱から──奪っていくんだ。だから、汗が蒸発するときに体の熱を持っていってくれて、体が冷える」


こういう話は季節講習の理科の時に話をするのですが、なぜ?を深堀する訓練として国語でもたまにやっています。

普段の「暑い/涼しい」という感覚の背後にある仕組みを、ちらっとでも覗いておくと、世界の見え方が少し変わるはずです。


🧠 クリティカルシンキング

テーマ:「オットーの斧」──ついて良い嘘とダメな嘘はあるか/問いに正対するとはどういうことか


「オットーの斧」も今日でひと区切り。

3年後の場面を音読してから、3つの問いを子どもたちに投げかけました。


①なぜオットーはフィンの質問(お父さんは嘘をつかない人だよね?)に答えられなかったのか

②もし自分がオットーだったら、フィンに何と答えるか

③もし自分がフィンだったら、お父さんに何と答えてほしいか


①について、ある子は「人の命に必要だったからしょうがなくやったことだから、自分が全部悪いっていうのは少し腹立たしいから」と答えてくれました。

別の子は「フィンは騙せるかもしれないけど、自分は騙せない。どっちも良くないなと思って、声がスパーンといかなかった」と。

小4でこの洞察。「自分は騙せない」というところに、私もハッとさせられました。


②に進むと、「時には嘘をつかなくちゃいけない時もある。ついて良い嘘とダメな嘘がある。人の命がかかってる時は、ついて良い嘘」「人を傷つけない嘘もある。例えば『僕は1歳です』」と、自分なりの分類で答えてくれました。

最後の例で教室はまた笑いに包まれましたが、ここで一度立ち止まりました。

「それはどちらかというと冗談だよね。あと、その答えだとフィンの質問に対して答えてないよね」

「たしかに、話をずらしている・・・」

聞かれていることに対して、ちゃんと正対して答える──これはとても大事な技能だと思っています。

答えやすい問いに置き換えてしまったり、関連する話題でごまかしたりせず、聞かれたことに正面から答える。普段の会話でも、大人でもできていないことが多い気がします。


③の視点転換は、子どもたちにとってかなり難しかったようで、「半々かな」と揺れる結論で着地した子もいました。


最後に、「先生だったらどっちにしますか?」と逆質問もありました。

私自身の本音としては、「フィンに対して嘘をついて金の斧をもらったことを隠す必要はないと思う。エルザを助けるために必要なウソでそうしたんだから、堂々と話せばいい。」というところで、子どもたちと考えを共有しました。「誰に正直でありたいか」は私には大切な観点です。


📅 次回予告:「問いの立て方」を座学で

次回は、クリティカルシンキングの授業を一度お休みして、座学に入ります。

テーマは「問いの立て方」です。


AI時代には「問いを立てる力」がますます重要になる──私もそう思いますし、いろいろな方が同じことを発信しています。この背景には、問いを立てればすぐにそれらしきこたえをAIが出してくれるからという理由があります。

ただ、では「どうすれば問いを立てられるのか」を、具体的かつ体系的に説明している人は、実は驚くほど少ないと感じています。

「これはどうして?」「なぜ?」は良く聞きますが、問いの立て方ってそれだけでしょうか?

「問いが大事だ」とは言うけれど、その問いを生み出す手順や型、訓練方法を、子どもたちに渡してくれる人はあまりいないのです。


ここを掘り下げて、子どもたちにきちんと言葉と型で渡してあげたいと思っています。

そして座学のあとは、これまで読んできた文章を題材に「自分ならどんな問いを立てるか」「筆者にどんな質問をしてみたいか」を実際にやっていきます。


🎯 その他のエピソード

●「米寿」と漢字遊び

おじいちゃんとおばぁちゃんと昨日ピザ食べてきた!87歳と81歳!と教えてくれました笑

祖父母の年齢を覚えているなんてすごいなと感心しつつ、来年の米寿に向けて『米寿(べいじゅ)』をみんなで学びました。


●仮眠の話

毎日忙しすぎて全然寝てなくて眠い!という子がいたので仮眠の話をしました。

「数秒〜数分でも目をつぶって情報を遮断するだけで脳が回復する『ナノナップ』っていうのがあるよ」「理想は20〜30分くらい」「NASAの研究では、26分の仮眠で事故やミスが半分になったというデータもある」という話を共有しました。

サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドが90分の睡眠を5回に分けて取っているという話にも、子どもたちは興味津々でした。

子どもにとって睡眠は非常に重要だと思います。


★お知らせ:夏期講習について

別途実施している季節講習では、算数や理科でも「問題文をどう読むか」「グラフをどう読むか」を扱っています。

一見すると算数や理科の話ですが、本質は読解力です。

文章やグラフをどう読めば問題が解けるのか、ここも意識的にやっています。

今年の夏も夏期講習を予定していますので、改めてご案内します。



太郎塾では体験授業を随時受け付けています。

「国語力・好奇心・考える力」を育てたいとお考えの保護者様、お気軽にお問い合わせください。


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