2026年6月|小学4年生授業レポート①_0603_Wed
- 7 日前
- 読了時間: 7分
2026年6月3日
今週は台風で学校がほぼ休みになってしまった子も多く、出だしは「学校行ってない!」という賑やかな雑談から始まりました。
いつもより賑やかだった気がします。
📘 論理国語
テーマ:助詞・助動詞の復習
前回の宿題の答え合わせから入りました。
●助詞ひとつで文の意味が変わる──東京スカイツリーの文章から
今日のメインは、社会科見学で東京スカイツリーに行くという作文の中の空所補充。
「強風の日には展望台〔 〕登れないこともある」
ここに入る助詞は「は」か「に」か。
「は」にしていた子がいました。
もちろん意味は通じますが、太郎塾では特にこういう言葉遣いを注意深く見ています。(正解は「に」)
「『展望台は』にしたら、展望台が主語になり、展望台が登ることになっちゃうでしょ」と、文の意味そのものが変わってしまうことを実演してみせました。
●寄り道でアレクサンドラ構文
続いて取り上げたのは『シン・読解力』にも出てくるアレクサンドラ構文

日本語に置き換えると、
「純ちゃんは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名・純子の愛称であるが、男性の名・純一の愛称でもある」
という構造です。
内容は簡単ですが、ぱっと見、「ん?」となる一文かも知れません。
「男性からはアレクサンダーって呼ばれて、女性からはアレクサンドラって呼ばれるってこと?」
という子もいました。
これは、単語だけどピックアップして自分でストーリーを作ってしまっている現象だと思われます。
このように改めて問うと「ちゃんと読めていない」ことが分かります。
でも国語の設問の答えはちゃんと合っています。
普通に国語の設問を解いているだけでは気が付けない点が、非常に怖いなと思います。
当然、間違って読むと、正確に情報を吸収できません。
これってものすごく恐ろしい事だと思っています。
地道にやっていきます。
🏺文章読解&探究
題 :『漢字が伝わる不思議な言葉』 著者:佐藤ゆき
種類:説明文
語彙:オノマトペ、擬音語、擬態語、由来、実感
要約:
オノマトペとは、もともとフランス語で「名前を作ること」という意味から来ている言葉です。自然界で起こる音や、動物の声、人がする動きなど、身のまわりの物事を音や様子で表す言葉のこと。日本語では「擬音語」「擬態語」と呼ばれ、4000〜5000種類もあると言われていて、世界の言語の中でも特別に多いのが特徴です。日本人が、目の前のものを「実感を持って」言い表そうとしてきた結果、これだけ豊かな言葉が生まれたのではないか。
音読の中で、最初に立ち止まったのは「来ている」という表現でした。
「『フランス語で名前を作るという意味から来ています』──ここの『来ている』って、どういう意味?」
ある子が「フランス語から運ばれてきた、ってこと?」と物理的な移動として読み取ろうとしてくれて、ここがちょうどいい引っかかりになりました。
「ちょっと違うんだよね。『この言葉の由来はフランス語にあるんですよ』っていう意味で『来ている』って言っているんだよ」
語源や由来を示すときの定型表現。
普段の会話ではあまり立ち止まらない言い回しですが、説明文ではこういう一文字に意味が宿ります。
●空所補充:「例えば」が入る理由は?
接続語の空所補充では、「例えば」が入る理由を子どもたちに説明してもらいました。
ある子が「『例えば』は、前の言葉を後の文で詳しく説明する言葉だから、擬音語・擬態語を具体的に説明する『ワンワン』とかが後に出てくる」と、見事に説明してくれました。
「いつも言ってるよね。空所の前と後ろがどうなっているかを見るんだよ」
空所の前は「擬音語・擬態語」というまとめ言葉=抽象。
空所の後は「ワンワン」など個別の例=具体。
また、これを全員が「はいはい!」と言いながら、たどたどしくも説明を頑張っていることが素晴らしいなと思います。
やはり、アウトプットしないと「脳」が重要だと認識しないので、ここを重視しています。
余談ですが私の様に将棋を観るだけの「観る将」の棋力が上がらないのと一緒です。
観るだけ、聞くだけ、読むだけでは決して出来る様にはつきません。
アウトプットが絶対的に必要です。
●動画でオノマトペの世界を覗く
授業の後半では、日本語のオノマトペを紹介する動画を観ました。
みんな爆笑し、このアカウント知りたい!と言っている子もいました。
「ふらふら」「じめじめ」「カンカン」「どしどし」「コツコツ」「カツカツ」──次々と出てくる言葉に、子どもたちは「カツカツってピンチって意味なの!?」と新鮮な反応。「日本語って、一つの単語だけで状況まで伝えられるんだ」と動画の中で語られていて、まさにそれが今日の本文の主張と重なりました。
🧠クリティカルシンキング
テーマ:問いを立てる力
休憩のあと、今日はクリティカルシンキングを少し特別な形にしました。
理論と実践。
空手でいうと、実際に試合に出るのが実戦、技や考え方の体系を学ぶのが理論。
サッカーでいくら綺麗なシュートフォームを教えてもらっても、何百回、何千回と練習しないと身につかないという例を出しました。
両方が必要、というのが今日のテーマの大前提でした。
●なぜ「問いを立てる力」が今、大事だと言われているのか?
導入で、子どもたちにこう投げかけました。
「最近、『問いを立てる力』が大事だって、いろんなところで言われてるんだよね。なんでだと思う?」
ある子が「AIって本当のこと言ってるかわからないから、質問しないとわからないままになる」と答えてくれました。
別の子は「AIを使いこなせないと、AIに滅ぼされるって言ってる人もいる」と、ちょっとスケールの大きな話。笑
「AIが滅ぼすかどうかはちょっと置いといて。AIは『答えを出す』のがものすごく得意なんだよね。でも、答えを出すには、誰かが質問を投げてあげないといけない。質問が前にあって、初めて答えが返ってくる」
「だから、いい質問ができないと、いい答えが返ってこない。問いを立てる力って、これからの時代、本当に大事なんだ」
これは、AI云々の話を抜きにしても、文章を読むときに「あ、そうなんだ」で流してしまうか、「本当かな?」「だから何?」と立ち止まれるかの違いに直結します。
●太陽系の例文に質問してみる
ここで一つの例文を提示しました。
『太陽系の中で生命がいると確認されているのは地球だけだ。しかし、火星や木星には水があるかもしれないと言われている。』
「これを読んで、どんな質問が浮かぶ?」
子どもたちからは、
・「生命と水って、イコールなの?」←一歩先の質問
・「なんで火星や木星に水があるって言われているの?」
・「太陽系って、地球以外には何があるの?」
・「木星みたいなガスの惑星に、水があるってどういうこと?」
──と、次々と質問が飛び出してきました。
「いいね、そういう感じ。じゃあ先生ならどう質問するかというと──『だから何?』。水があるかもしれない、だから何が言いたいの?」
「この文章を書いた人は、本当は『だから火星や木星にも生命がいる可能性がある』って言いたかったんだと思う。でも、それを書いていない。書いてあることだけ読んで『あ、そうなんだ』で終わっちゃうと、相手が本当に伝えたいことを取り損ねてしまう」
「『だから何?』って自分の中で問いを立てると、文章の奥にある主張が見えてくるんだよ」
●三つの問いの型を紹介しつつ、重要なプリントを配布しました。
①情報の問い
②意味の問い
③論証の問い
「意味の問い」は、みんながいつも宿題でやっている語彙調べそのもの。
「情報の問い」は、たとえば「水があるかも」と言われたら、「その水って、液体?氷?水蒸気?」と踏み込んで聞くこと。
「論証の問い」は、「だから何?」「本当に?」「なぜ?」と理由を問い直すこと。
「これは難しいから、今日一回じゃ絶対に身につかないよ。これから少しずつやっていこう!」
すぐにできるようにはならない。
でも、こういう問いの型を頭の中に持っておくだけで、文章の見え方は明らかに変わってきます。
今日はその「ものさし」を、一つ手に入れた日でした。
次回は、問いに「良い問い(質問)」「価値の高い問い(質問)」はあるか?
みんなの宿題をもとに議論していきたいと思います。
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