top of page

2026年4月|小学4年生授業レポート③_0420_Mon

  • 4月21日
  • 読了時間: 10分

更新日:4月21日

週が明け、教室に入ってくる子どもたちの顔はどこか清々しい表情。

「太郎塾の『ロゴ』ってなんで象なの?」という質問が飛び出しました。

時間的に解説できませんでしたが、このレポートの最後に記載します。


📘 論理国語

テーマ:「言葉で世界を整理しよう」——「横に広げる/縦に深める」思考法


前回までに学んだ「具体と抽象(ステップ1)」と「対立関係(ステップ2)」を復習してから、今回のテーマ「言葉で世界を整理しよう」へ進みました。


「物事を分解していく時に重要なのは、横に広げることと深めること。

横に広げる時に使うのが"対比"。もっと詳しくする時に使うのが"具体化"。

この2つの考え方で世界を整理しようということなんだよ」と伝えました。


続いて「道具」の分類に挑戦。大工道具・農具・裁縫道具の3カテゴリーに分けていく練習です。

ここでも壁になったのは語彙。「カンナって何?」「カマって何?」と声があがりました。

「カマってこういう取っ手がついてて、死神が持ってそうなやつ」

「そうとは限らないでしょ」と突っ込んでくる生徒もいます笑

「農具っていうのは、畑とか田んぼとかを耕す時に使う道具のことね」と一つずつ解説していきました。


面白かったのは、わからない言葉に出会った時の「推理」の話。

「『大工道具』『農具』『裁縫道具』……ほら、"具"っていう同じ字が入ってるじゃん。ってことは、同じグループの言葉かもなって考える。これが推理だよ」と伝えました。

「全部がわかっていることなんて、この先ほとんどありえないから。英語を読むときも、この単語知らないなっていう時に推測する力が必要なんだよ」と。

語彙力と文脈から推理する力はセット。

知らない言葉に出会った時に諦めるのではなく、手掛かりを探してにじり寄る姿勢が国語力の土台になります。


ちょっと余談でまだ明示的には伝えていませんが、何か分からないものに出会ったときに「勉強不足で分かりません」ではなく、「○○から▲▲と考えられる」という様に仮説を立て、あたりをつけて調べたり、深堀したり、議論を展開できる人になってほしいと思っています。

個人的にはビジネスの世界では当たり前の所作だと思っていますが、こうなってしまう(=勉強不足で分かりませんと発言する)原因は、正解がある問題ばかり解いていることにあるのではないかと思っています。

つまり、「どこかに正解がある」という前提に立ち、自分はまだ正解にたどり着いていないだけなんだという思考に陥っているという意味です。


まだ正解がないもの、正解らしきものが見つかっていないものに取り組むからこそ価値があり、その逆もまたしかりだと思っています。

正解があるものは、ロボットやAIにお任せしたいものです。


🏺 長文読解&探究

題:トゲウオと鍵刺激——動物行動学のはなし(説明文)

語彙:鍵刺激、縄張り、一方、単純、複雑、特徴的、模型/モデル、トリガー、淡水魚

要約:淡水魚のイトヨは繁殖期になると雄の腹が赤くなり、赤い色を見ると攻撃する習性がある。動物行動学者ニコ・ティンバーゲン(1907–1988)はこの反応を「鍵刺激」と名づけた。特定の条件が引き金となって決まった行動が引き起こされるという概念である。


音読を進めながら、一つひとつの言葉の意味を確認していきました。


「縄張りって何?」——「自分の場所はここだって言って、自分の場所にして守るところ」。


読み進めると「いっぽうで」という接続詞が出てきました。

「この"いっぽうで"って、何と何をつないでる?」これはみんな難しそうでした。

先週学んだ対比の観点から読解の解像度を一段上げられた瞬間でした。


次に「単純な、しかし、特徴的な刺激」という一文。

「どうしてしかしがこんなところに入ってると思う?」と問いかけると、ある子が「単純なのに特徴的って、ちょっと逆になってるんじゃない?」と気が付きました。

「普通、単純なものって特徴的ではないんだよ。なのに"特徴的"って書いてある。じゃあ、これ本文の中で具体的には何のこと?」

色んな意見がでて、最後にある子が「赤色のものに対して攻撃を仕掛けた!」と答え、

「そう、赤いってこと。赤は単純だけど、オスにとって特徴的な刺激になってるんだよ」と着地しました。

こういう精読のトレーニングが、文章を表面ではなく構造で読む力、思考力につながります。


🧠 クリティカルシンキング

テーマ:クラス対抗リレーの補欠選考(ケーススタディ・続き)/「金の斧」の導入


前回から引き続き、クラス対抗リレーの補欠選考問題に取り組みました。

速いけれどバトンパスで減速する西村くんと、バトンパスは上手いけれど緊張しやすい木下さん。どちらを選ぶか、そしてそれをどう決めるか。


ある子が提案しました。

「1週間後に田口さん(怪我で離脱した子)も含めて、もう1回走らせて、そのタイムを比較して最終的に決めたらいい」

具体的でとてもいい提案です。

選考方法そのものをデザインしようとしていました。

では想定される反論は何を考えてきたか?

「西村くんからしたら『なんでまたそんなややこしいことするの?』ってなるかも。田口さんはもう怪我した時点でアウトじゃないって言う人もいるかも」と。

つまり、「田口くんの代わりは俺(西村君)でしょ!」と言われるのではないか?

その反論に対して考えてきた自分の主張が効いてくる(すでに包含されてる)ことには気が付けていませんでしたが、とてもいい議論ができました。

反論への返しは「田口さんは当初選ばれていた選手であり復帰できることは医者が証明している。確かに、ケガによる影響でタイムが遅くなるかも知れない。だからこそ、田口さんのタイムが本当に遅くなってるかは、走ってタイムを計れば分かる。これは公平である」という主張です。


別の子は、プリントに書いてある数字を使って反論を組み立てようとしていました。

「バトンパスで2〜3秒変わることがあるって書いてある。でもその際に減速してしまうとも書いてある。一方西村くんと木下さんの差は0.8秒だから、実際はそこまで大きな差が出ないと思う。

さらに、バトンパスがうまくいくか否かは分からない。だとすると選ぶべきは・・・。」

定量的に数字を根拠に議論を組み立てようとする姿勢そのものが素晴らしかったです。


私が最も伝えたかったメッセージはこれです。

「考えるべきことには、必ず順序がある。特に今回は、基準を決めるためには目的がないとダメだよってこと」

目的が「勝利」なのか「全員で走る思い出」なのか「公平性」なのかで、選考基準はガラッと変わります。

だからまず目的を決める。基準はその後。手順はさらにその後。この順序を飛ばすと議論は空転します。


■次回からはケースが変わります!

昔話をオマージュしたToi(問い) Storyシリーズです。


次回からは新しいケースに移ります。

おなじみの「金の斧・銀の斧」に似た寓話、「オットーの斧」。

登場人物はオットー(木こり)、妻エルザ、子どもたち、そして森の神様。

病気の妻を救うために金貨10枚が必要。唯一の財産の鉄の斧を川に落として絶望していると、神様が金の斧を示して「これがお前の斧か?」と問う——嘘をつけば妻を救えるが、自分の信念に反する。

みんなで音読しました。

この金の斧の物語では「正直者は報われる」が前提ではありません。

その前提が崩れた時、人はどう振る舞うべきか。

来週の宿題は、まず「このケースで何が起きているか」を整理してくること。

自分がオットーだったらどうするか、このジレンマにどう対応するのか。

来週の議論が楽しみです。


●これからの文章読解の宿題のやり方を体系的に書面に落として説明しました。

口頭では簡単に説明してはいましたが、学年が上がりちょっとずつ本格的に正式に取り組みます。


まず、「宿題は問題を解くことではありません。」

これは重要なメッセージで、

「今日の宿題は簡単だった!」

「全部合ってた!」

と、多くの子が言います。


でも、精読するなかで「言葉の意味」「文の意味」「接続詞が何を繋いでいるか」「筆者は何が言いたいの?」「その理由はなんだって言ってる?」

という様な質問をすると分からないことだらけです。

つまり、問題に正解していても内容が理解できていないということです。

これって本末転倒ですよね。


これからの文章読解の宿題でやることは大きく2つです。

①語い調べ

②文章の構造化

-各段落を一文で要約する。

-要約したら各段落にラベル(「話題」「意見」「具体例」「理由」など)をつける

-全体を「はじめ・中・おわり」に三分割。(できる人は、論理的なつながりを書く)

-最後に全体を2〜3文で要約。


これができるようになったら、一人で本を読んでどんどん知識を吸収していけます。

また、論理的な思考力も鍛えられます。

たぶん初回は10%くらいしかできていないと思いますが、じっくり取り組みながら前に進んでいきます。


私も生徒の様子を見てより良い方向に修正していきます。


・今日は生徒同士で放課後の過ごし方を教え合う場面がありました。

「学校終わってアフタースクール行って、おやつ食べて、英語やって、宿題やって……」と、みんな本当によく頑張っている。体操、バイオリン、ダンス、実験教室——それぞれのフィールドで学びを広げている子どもたちです。

太郎塾での学びがそうした日常を加速させる土台になれば嬉しいなと思っています。


太郎塾のロゴの象はどこから来ているか?

今日生徒から質問が出たので、以前インスタにあげた話を載せます。

まだ授業で話したことがないので、機会があれば話したいと思います。


●インドの寓話:盲目の男たちと象

インドに6人の男たちがいた。

学ぼうという気持ちが強く、象を見に出かけた。

(全員目が見えなかったが)じっくり観察すれば心が満たされるだろう、とみんな考えていた。


最初の男は象に近づき、

うっかり転んだ拍子に大きくてがっしりした脇腹にぶつかり、こう叫んだ。

「おやおや、象とは壁のようであるぞ」


2番目の男は、牙に触れて大声をあげた。

「おお!これはなんと丸くて滑らかで、しかも尖っている。わかったぞ、この象というものは槍のようだ!」


3番目の男は象に近づき、手につかんだのがくねくね動く鼻だったので、大胆にもこう言った。

「なるほど、象とはまるでへびのようだ!」


4番目の男は手を伸ばして、ひざのあたりを熱心に触った。

「この不思議な獣はまったくデコボコがない。きっと象とは木のようなものであろう」


5番目の男が触れたのは耳だった。

そして、こう言った。

「まったく目が見えなくても、何に一番似ているかよくわかるぞ。間違いあるまい、この象という生き物はうちわのようであるぞ!」


6番目の男は象に手を伸ばすと、すぐにゆらゆら揺れる尻尾をつかみ、こう言った。

「なるほど、象とは縄のようであるぞ!」


それから、このインドの男たちは長いこと大声で言い争い、

それぞれが自分の意見を譲らず、言い張るだけだった。

それぞれ正しいところもあるが、まだどれもが間違えてもいるのに。


【教訓】

言い争う者たちは、よく知りもしないのに人の意見をけなし、見たこともない象について軽々しく論じる。

------

ロゴはこの象から来ています。

大きく、全体を捉えることが難しいものを多角的に見れるようになりたいという想いです。


また、象と巨人は少し違いますが「文章読解を通じて、巨人の肩に立つ」。

こんな思いも込めて文章読解をしています。

まさに、ただ問題を解くだけではありません。


ニュートンの言葉ですが「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に立っていたからです。」

彼は、人々が過去の知識を活かしてさらに新しい知識を得ることを「巨人の肩の上に立つ」ことで、より遠くを見ることができると表現しました。

この様に素晴らしき先人の知をどんどん吸収してほしいと思っています。


今回の授業ではありませんが、以前読書に関して以下の言葉を紹介し、読書の重要性を伝えました。

①「読書は充実した人間を作り、会話は機転の利く人間を作り、執筆は緻密な人間を作る」ーフランシス・ベーコン

②「良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである」ーデカルト

③「書物の新しいページを1ページ読むごとに、私はより豊かに、より強く、より高くなっていく」ーチェーホフ

みんなベーコン(お肉)で笑ってました。

そんな予感はしていましたが。笑



太郎塾では体験授業を随時受け付けています。

「国語力・好奇心・考える力」を育てたいとお考えの保護者様、お気軽にお問い合わせください。

▶ 無料体験のお申し込みはこちら

https://t-serendip.hacomono.jp/home

最新記事

すべて表示
2026年5月|小学4年生授業レポート③_0525_Mon

論理国語は助動詞・助詞の穴埋めに挑戦、「シン読解力」でも注目の訓練でした。文章読解では世田谷区の五島美術館に保管されている『源氏物語絵巻』を探究。クリティカルシンキングは『オットーの斧』後編で「自分は騙せない」という小4の洞察に、私もハッとさせられた一日でした。

 
 
 
2026年5月|小学4年生授業レポート②_0520_Wed

助動詞の導入、説明文『植物は考える生きもの!?』でアレロケミクスによる化学戦争を学び、クリティカルシンキング「オットーの斧」で“嘘か正直か・何を優先するか”を考えた、小学4年生水曜クラスの授業レポートです。

 
 
 
2026年5月|小学5年生授業レポート②_0520_Wed

論理国語は形容詞・形容動詞を学び、「曲だ」が名詞+だであることを確認。長文読解は金閣寺の評論文から「サビ頭」、金閣寺が建てられた理由、室町の人口や寿命へと探究が広がりました。クリティカルシンキングは「オットーの斧」、誠実さと命を天秤にかけるジレンマに挑みました。

 
 
 

コメント


bottom of page