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2026年5月|小学4年生授業レポート①_0511_Mon

  • 5月12日
  • 読了時間: 9分

ゴールデンウィークが明け、子どもたちが教室に戻ってきました。

ひさしぶりの顔合わせで、GWにディズニーランドへ行った話や、マス釣りをした話をしてくれました。


📘 論理国語

テーマ:主語と述語の確認と、新しい要点「目的語」の導入


宿題の答え合わせから入りました。

主語と述語をぬき出す問題を一つずつ確認していきましたが、答え合わせ以上に脱線が学びの中心になりました。


例文「献立は、ミネストローネでした。」では、

「ミネストローネって何?」から、各学校の給食事情が次々と飛び交いました。


「うちの今日の給食はミルクパンだった」「うちはたけのこご飯」「うちは弁当箱みたいな容器で出てくる」と、ふだん同じ「給食」という言葉でひと括りにしていたものが、よくよく聞くとずいぶん違うことが浮き彫りになりました。

黒板に描きたい!ということで、絵で色々書いて説明してくれました。

「え、デザートあるの!?」「いいなぁ~」「私立はお金かかってるから」という大人な会話まで笑

「勉強になるね」と私も感心しきりの時間で、給食当番の有無や配膳の仕組みまで話題が広がりました。


同じ言葉を使っていても、頭の中に浮かんでいる絵は人によって違う。

コミュニケーションをとるときの足元として、感じておきたい感覚だなと思っています。


別の例文「ムシムシと暑い夏の夜です。」では、「ムシムシ(蒸し蒸し)」とはどんな感じか、を深掘りしました。

「気持ち悪い」「カメラで撮ると景色が歪んでる」という生徒の感覚的な言葉を入口に、蜃気楼の話、肉まんを蒸す話、サウナで蒸される話と広げていき、最終的に「湿度」という言葉に着地しました。

「暑い」と「蒸し暑い」のちがいを、感覚から科学のことばに翻訳する。

これも国語力の一側面だと思っています。


例文「きれいだなあ、大通りの イチョウなみ木の 紅葉は。」では、「イチョウ」「銀杏」「茶碗蒸しの中に入ってる緑の実」「焼き鳥屋の串」と、知識をリレーするように話がつながり、

あの臭いやつか!と五感の記憶でも盛り上がりました。


最後に、新しい文法事項として「目的語」を導入しました。

「主語・述語だけだと、足りないことがあるよね。"フクちゃんが とる"って言われても、何を?ってなる。"何々を""何々に"にあたる部分が目的語だよ」と整理しました。

次回の宿題は、論理エンジン4-1 ステップ5の練習問題(主語・述語・目的語をぬき出す)です。


🏺 長文読解&探究

題:「おもちの大研究」笠原秀(PHP研究所)

語彙:年中行事、備わる、名残、霊力、ハレの日/ケの日、玄米、精米、うるち米、もち米、青米

要約:日本の全国各地でつくられているお餅は数えきれないほどあるが、大きく分けると、年中行事や成人式など「ハレの日」(特別な日)に食べるお餅と、「ケの日」(ふだんの日)に食べるお餅がある。ハレの日には、もち米だけでつくった白餅などのなめでたい餅が食べられ、ケの日には、シイナ(青米)にきびもち・あわもち・もろこしもち・ひえもちなどの穀類を混ぜた餅が食べられていた。すべての人が当たり前に白米を食べられるようになったのは、太平洋戦争が終わってから、約60年前のことである。


まずは段落構造の確認。「全部で何段落?」「五段落!」と答えてくれて、各段落で何を言っているかを順に確かめながら音読を進めました。

語彙では「備わる(くっついている)」「名残(昔の影響が残っていること)」「霊力(人間の理解を超えた、不思議な力)」を確認。

「ハレの日」は、成人式や年中行事のような「特別な日」の言いかえとして整理しました。


ここからが今回のポイントです。

「2~4段落の記載内容で、気になるところない?」と尋ねました。

「・・・」

質問を変えました。

本文には「お餅が昔あまり食べられなかった理由」として、①霊力があると信じられていた名残である、②米を食べられるようになったのは太平洋戦争が終わってから、という二つの理由が書かれています。

これを読んで、私はこう聞きました。

「この二つの理由って納得感ある?」

ある子が「ない!」と即答してくれました。


その感覚を大事にしてほしいですし、もしそういう説明を誰かに受けたらちゃんと質問をしてほしいと伝えました。

わかったふりをしない事!


「もちに霊力があったら、なんで食べられないの?」「太平洋戦争が終わるまで食べられなかったって、どういうこと?」「そもそも太平洋戦争って何?」——文章を読みながら、こういう問いが自分の中に湧くかどうか。

受験国語という分野はありませんが、仮にそういうカテゴリーがあるとしたら、そんなことを気にしていては「制限時間内に解けないよ」と言われてしまうでしょう。

しかし、私は国語の本質はそんなところではないと思います。

受験だけ突破するならそれで良いかも知れませんが、後に残るもの、本当の国語力・考える力を私は鍛えてあげたいと思っています。


「ふんふんふん、と読み流したらダメ。違和感のある文章だなって思えるようになると、国語力がついてきたなって思える瞬間だよ」と話しました。

書かれていることを鵜呑みにせず、自分の中で立ち止まる。

情報があふれる時代、AIと協業する時代を生きていく子どもたちには、必ず身につけてほしい姿勢です。(大人もですが。)

ここから、本文の二つの理由を入口に、2つの探究をしました。


●探究①:太平洋戦争とは何か

「太平洋戦争が終わるまでは白米があまり食べられなかった」という一文を入口に、日本の近現代史へ。

終戦の年(1945年8月15日)、戦争の相手国、なぜどのようにして太平洋戦争が始まったのか(真珠湾攻撃とは何か?)、第二次世界大戦はどのように始まったのか?

アメリカに旅行した時の話を踏まえてこの周辺の経験を持っている子の話から色んな話に派生しました。

「ニューヨークに行ったときに、亡くなった人全員の名前が書かれているビルがあった」と話してくれました。それは2001年の9.11同時多発テロですが、「ちゃんと考えてくれているな」と思えますし、そういう自分の経験と繋がった記憶や情報は忘れにくく宝物になると思います。

だからこそ、何につながるか分からないけど子供のうちは色んな知識・経験を点でいいので幅広く打っておくことが重要だろうなと改めて感じました。

スティーブジョブスの名スピーチでも出てくるConnecting Dotsですね。

<https://youtu.be/XsRpvWHIVw0?si=SaEtZqO9p6V6bTux>


また、「火垂るの墓のやつ?」と話しが出ました。

見たことないけど「怖いらしいよ!」

「観たい観たい!」と大騒ぎでした。笑

さすがに上映会をするわけにはいかないので「お家でお父さんお母さんと観てね」と伝えました。


私は7年ほど前に観た際、見終わった後のあの力が抜ける感じを忘れられません。

その日は何も手につかなかったですね。

子どもの頃に見ていたはずなのに、自分の子どもが生まれてから観る「火垂るの墓」のインパクトは新鮮で非常に衝撃でした。


私の父は長崎育ちで、その姉である叔母は原爆が投下された日にすでに生まれていました。

我が家はお米があったらしく、おにぎりを学校に持参してたべていたらしいですが、

戦後は貧しく、何かわからない別のものを食べている同級生がいて、でもそれがとてもおいしそうに見えて、白米のおにぎりと交換してもらって食べたことがあるということも聞いたことがあります。

小学生らしいかわいいエピソードです。笑


「お餅」という日常の食べ物から、戦争の歴史へ。

この距離をひとっ飛びにして経験や知識としてつなげていく体験を子どもたちにはたくさんしてほしいなと思っています。


●探究②:米の種類と精米

本文の「しろもち」「クズ米」「シイナ(青米)」という言葉を入口に、お米の世界を広げました。

玄米・うるち米・もち米・青米——実物を見せながら違いを確認していくと、玄米を見た子が「これ腐ってるっぽい」と一言。

「皮をむいた初期状態が玄米。これを精米して白米になるんだよ」「いつも食べているのはうるち米。お餅になるのはもち米。青米はうまく育たなかった青いお米」と整理しました。

東京ではあまり見かけない精米機の動画も一緒に見ました。

さらに、お米をどんどん磨きこんでつくる日本酒(大吟醸)の話にも展開。

ひとつの「お米」から、食文化のひろがりまで見渡せました。


●実験:うるち米でお餅は作れるか

最後に、うるち米でお餅は作れるか?を実験しました。

うるち米とは、一般的なお米です。

Panasonicのパン焼き機でこねてみました。

意外にも成功!


「めっちゃうまい!」と大いに盛り上がり、きな粉と塩で楽しみました。

本文で読んだ「お餅」を、自分の手で形にして、舌で確かめる時間。

文字の世界と現実の世界をつなぐ。

こういう体験を、これからも織り交ぜていきたいと思っています。


🧠 クリティカルシンキング

テーマ:「オットーの斧」——第三の選択肢を生み出す力


ゴールデンウィークの宿題だった「オットーの斧」(病気の妻エルザを救うために金貨10枚が必要な木こりオットーが、湖に落とした鉄の斧の代わりに神様が金の斧を差し出し、「これがお前の斧か?」と問われる物語)の続きです。


まず、「このお話の状況を20秒で説明できる?」とタイムアタックを設定。

こうした制約を入れると、要点を絞る練習にもなりますし、空気もきゅっと締まります。

みんな挑戦してくれましたが、みんなまだまだ難しそうでした。笑


選択肢として、まず「正直に言う」「嘘をつく」の二択以外に考えてきてもらいました。

「神様に理由を説明して、金の斧を借金する。今、僕にはお金が必要で、そうしないと妻が死んでしまうから、お金を貸してください。あとで働いて返せます、と」

私はうんうんと受けながら、「なるほど、神様に借金するってことね」と整理しました。

クリティカルシンキングの核は、与えられた選択肢の中から選ぶことではなく、選択肢そのものを自分で作ること。


私はさらに問いを深めました。

「神様にお願いしたとして、断られたらどうする?」

ここから先は、来週に持ち越しです。


議論の中で、ある子がこんなことを言いました。

「いいことした人が報われるっていうけど、現実は違うじゃん。本当のこと言って、病気の奥さんを助けられなかったら意味ないじゃん。嘘ついて普通に金の斧をもらえるなら、もらえばいいじゃん!」

小4でこの発言。

「正直者は報われる」という、子どもに教えるはずの前提が、すでに揺らいでいる。


来週は選択肢によって失うものは何があるか?を議論の真ん中に置いてみたいと思っています。

このジレンマをどう扱うのか。伏せている仕掛けも用意してあります。


🎯 その他のエピソード

●AIと国語力

授業が終わって雑談の中でAIの話題になりました。

ある子が「AIに頼んでもやりたいことができない、イライラするんだよな」と言いました。

「それは多分やりたいことがAIに正確に伝わっていないんじゃない? 言葉で正確に伝える力——つまり国語力がないと、AIは使いこなせないんだよ」と伝えました。

AIを使う時代だからこそ、間違いなく国語力の重要性はますます高まっています。


インプットもアウトプットも言葉なしでは非常に困難です。

伝えたいものが音楽や絵画などの芸術であれば別かもしれませんが、何かを教えたり学んだりする場合は必要不可欠です。


国語力、考える力を鍛えていきましょう!



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